[2020年5月23日] 5月22日の感染者発表はゼロ。県の方針と市の対応

5月22日の感染者発表はゼロ。県の方針と市の対応

・5月22日の感染者はゼロ
・県立高校の再開スケジュールが出た
・博物館などが一部26日から再開
・県の段階的解除について解説
・飲食店の段階的解除の考え方が示されていない
・テナント支援協力金の期間延長
・長引く休業要請の持つ意味

5月22日は新型コロナウイルスの感染が疑われる方を42人検査し、全て陰性でした。
ここ1週間の感染者は6,0,2,0,0,1,0という状況(感染経路不明は2,0,0,0,0,0,0)。千葉県全体でもゼロです。

1名の方が退院され、感染者数107名(患者数105名、無症状病原体保有者数2名、入院中18名、退院82名、死亡5名、療養終了2名) となっています。
病床はステージ1(安心)で安定しており、感染経路不明の感染者数も問題ありません。

昨日(5月22日)、千葉県が対策本部を開催し、緩和に向けた考え方を提示しました。県の資料はこちら。https://www.pref.chiba.lg.jp/…/nc…/documents/8kai-siryou.pdf

「小学校、中学校、高等学校、特別支援学校、幼稚園の施設を管理する事業者の皆様は、感染予防に最大限配慮したうえで、段階的に学校教育活動を再開することを検討してください」との文言が初めて入りました。
既に千葉市を始め県内の多くの市は小中学校や市立高校の再開に向けたスケジュールを公表していましたが、これを受けて県立高校などの再開スケジュールが出ました。

5月25日の週に1回、1時間程度の登校日、
6月1日から2週間、分散登校、
6月15日から通常登校、

という流れです。詳細は県資料をご覧ください。

博物館などの再開について

また、昨日(5月22日)お伝えしたとおり、図書館、博物館、美術館、科学館、記念館に対する施設の使用停止要請が22日に解除されました。これを受けて県立中央図書館、県立中央博物館、県立美術館などが26日(火)から再開します。
千葉市も加曽利貝塚博物館、郷土博物館、ゆかりの家いなげ、旧生浜町役場庁舎の利用について26日(火)より再開します。お越しになる際は来館者へのお願いについてご覧の上、お越しください。
https://www.city.chiba.jp/…/02_bunkazaishisetsu_saikai_info…
図書館・公民館図書室については昨日(5月22日)お伝えしたとおり、予約図書の解消がまだ途上であるため、当初の予定通り、みずほハスの花図書館と公民館図書室は6月1日(月)、図書館は月曜休館のため6月2日(火)から再開することとします。
千葉市科学館については建物の構造上、窓がないこと、不特定多数の利用者が展示物に触れる体験型施設であるため、もうしばらく感染状況を見守る方針です。千葉市美術館は現在リニューアル工事中です。

22日に解除となりましたが、県の施設でも26日再開と開きがあります。職員のシフト、利用者への周知を考えると、22日解除する可能性がある旨をもう少し早くアナウンスする方が望ましかったでしょう。
東京都や大阪府のように事前に解除に向けた施設区分と段階の考え方、緩和を判断する日については事前にアナウンスする必要がありました。

千葉県の施設区分の考え方

千葉県が今回示した考え方は施設区分を国の考えに基づきA、B、C、Dの4種類に区分し、段階的に解除するものです。今回はAが解除され、今後1週間ごとに検討を行い、解除を判断していくとのこと。ここでは要点を説明します。

(A)
県民の文化的・健康的な生活を維持するために必要であり、「3つの密」の発生抑制が比較的容易な施設
例示:図書館、博物館、美術館、科学館、記念館等

(B)
クラスター発生歴がなく、「3つの密」の発生抑制が比較的容易な施設
例示:大学、学習塾(※)、自動車教習所(※)、劇場、映画館、集会場等
※延べ床面積の合計が 1000 平方メートル未満は元々対象外

(C)
A、B以外でクラスター発生歴のない施設(発生歴のある施設に類する施設を除く)
例示:水族館、動物園、植物園、体育館、水泳場、ボーリング場、マージャン店、パチンコ屋、ゲームセンター、個室ビデオ店、ネットカフェ、漫画喫茶等

(D)
クラスター発生歴がある又は発生歴のある施設に類する高リスクな施設
例示:スポーツクラブ、カラオケボックス、ライブハウス、キャバレー、ナイトクラブ、ダンスホール、バー、性風俗店 等

概ね妥当と思いますが、屋外が基本の動物園がCに含まれています。千葉市では緊急事態宣言前は屋内である動物科学館などで制限を設けた上で開園していましたが、県の方針に基づき千葉市動物公園はもうしばらく再開できないことになります。

また、体育館がCに含まれています。千葉市では体育館が問題なのではなく、窓を開けて換気を十分行った上で、体育館でどのようなスポーツをするかで制限を設ける考え方でしたが、県の方針に従い、当面各種施設の体育館を再開しないこととします。
なお、東京都は観客席を除く体育館や水泳場など屋内の運動施設は博物館・図書館と並び最初に緩和する対象となっています。

飲食店の酒類提供時間の緩和の考え方が示されていない

ここには含まれていませんが、「食堂、レストラン、喫茶店、居酒屋等を管理する事業者の皆さまに対し、19時以降の夜間は酒類の提供を控えていただくようお願いします」となっており、この部分について段階的解除の考え方が示されていないことが気になります。
記者もこの点が気になっているようで、市の対策本部後の報道陣とのやり取りでも記者から質問が出ました。

東京都は同じ日にこの点についてもロードマップを示しており、第一段階で午後十時までに緩和、状況が良好なら午前零時までに延ばすとなっています。
千葉県は常に東京都を見ながら方針を策定していますので、来週25日に総理が1都3県の解除を判断する可能性があることから、それまでにこの点について方針を示すと思いますし、求めていきます。

私達としてはお酒を出す時間も感染防止にある程度関係するかもしれませんが、それ以上に千葉市が飲食店に提示してきた感染防止に向けた8か条を守って頂くことが重要と考えています(テナント支援協力金の条件)。
https://www.city.chiba.jp/…/sei…/coronavirus-restaurant.html

テナント支援協力金の対象を拡充

仮に25日に国が千葉県の緊急事態宣言を解除しても、特措法第24条第9項に基づく施設の使用停止等の「協力の要請」はできますが、特措法第45条第2項に基づく施設の使用停止等の「要請、指示、公表」はできません。
ここから先は事業者の善意に頼るしかない状況となります。

千葉市では解除後も見据え、県が引き続き第24条第9項に基づいて休業要請した業種に対しては市独自施策であるテナント支援協力金の対象とします。当初1ヶ月、宣言の延長に伴い2か月分100万円を上限としましたが、その先も対象とします。

また、多くのオーナーはテナントの賃料減免等に応じていますが、一部の店舗からは「オーナーが減免に応じてくれない」との声が寄せられています。
千葉市では店舗側の手続き負担の軽減と、市の給付処理の迅速化のためオーナー側に協力金を支払う形とし、実際に概ね機能していますが、このような実態を受け、給付作業がある程度落ち着いてきた段階で、オーナー側が応じない場合に限り例外的に店舗側からの給付申請を可能とする方向で検討を進めています。詳細については別途市ホームページでお知らせします。

長引く休業要請の持つ意味

また、D区分のライブハウスやキャバクラ等の接待を伴う飲食店については宣言解除後、県の休業要請に応じず、営業を再開する店舗が続出すると考えられます。
県の休業要請に応じて頂くことが一番ですが、これだけ長期の休業要請となれば、市のテナント支援協力金が出たとしても再開する事業者が出ることは想定しなければいけません。

私達は仮に再開する場合、これら感染リスクの高い業種が正しく感染防止対策を行うよう、指針やツールを提供しながら、協力を求めていく考えです。
休業要請を出して終わりではなく、市民を守るため少しでも実効性を高める取り組みを千葉市としては進めていきます。

私が一番懸念しているのは、宣言解除後も長く休業要請が出され、多くの事業者が守らないことで「休業要請に応じる事業者が馬鹿を見る」という意識が広がることです。
新型コロナウイルスとの戦いは宣言解除で終わりではなく、数か月後に再度感染が拡大した場合に休業要請を出す場面も十分に考えられます。その際にそうした意識が広がっていては実効性が担保できなくなります。

拘束力が不十分な要請に事業者が応じてくれたのは行政の能力によるものではなく、ひとえに感染防止に協力しようという事業者側の善意と覚悟によるものだということを首長・行政関係者は忘れてはなりません。
安易に拘束力の低い休業要請を長引かせ、「私達は要請したんですけどね、守らない事業者は困りますね」といった態度では、次の波が来た時にどれほどの事業者が協力してくれるか、その点を見極めた対応が必要です。

昨日(5月22日)の市の対策本部では理美容業界への支援、子育て世帯への独自給付などについても決定しました。これらは後日改めて説明します。
なお、他の業種(文化系も)についても支援を検討しています。生活必需サービスであるかどうか、市が利用を促進して良い時期かどうか、などを見定め、今後も適切なタイミングで支援策を投入していく考えです。

今後も県の方針を基本としながら、それを補足する形で感染防止対策を図り、少しでも事業者支援を行えるよう取り組んでいきます。
ともに乗り越え、そして失われたものを取り戻していきましょう。