[2020年2月27日] 全国一斉休校要請について

安倍首相が3月2日からの全国一斉休校を要請するとのニュースが流れてきました。

実はその数時間前に、政府がそのような発信をする可能性があるとの情報が入り、急ぎ関係幹部を集めて対策を検討していましたが、春休みが開けるまでという期間設定は想定していませんでした。
結論としては「何とかします」。

国を挙げての一斉休校は日本と同程度の感染レベルの国でも実施していません。韓国も一部地域、休校を主張される方がよく引用されるシンガポールもしていません。台湾は春節の延長で今は再開しています。

共働き、一人親、両親に頼れない、障害児を抱えている保護者の方々はどうするか。その中には当然、新型コロナウイルスを含めた医療に従事する方、新型コロナウイルスで重篤になるリスクを持つ高齢者が入居する福祉施設で従事する方を始め、社会を最低限維持するために必要な職種の方々がいます。

国に先んじて急遽一斉休校を決めた北海道の医療現場では、看護師を中心に勤務できない人が続出し、診療制限などの事象が発生しています。それでも北海道は一週間ですし、新型コロナウイルスり患者も多いことから、まだ理解できます。

また、正社員ならともかく、非正規の方の中にはそれにより働ける日数が減り、収入が途絶え、生活困窮に陥る方が出てきます。収入保障について政府はどう考えているのでしょうか。政府が責任を持つ以上、何らかの保証をせざるをえないでしょう。これについては国の考えも見ながら、場合によっては市として国に提言していかなければならないと考えています。

通常であれば、こうした長期休暇は学童保育(千葉市で言えば子どもルーム)が受け止めています。学童保育を年間で申し込んでも夏休み等の長期休暇のみ利用という家庭も多いのです。

しかし、今回は政府が感染予防という観点で学校を一斉休校とした以上、学校より密度の高い学童保育は当然閉鎖せざるをえません。千葉市では1年生で40%が子どもルームを利用しています。
預け先が見つからず、家に子どもを置いていく、特に低学年や障害を持つ子どもが家で孤立することは別の意味で危険です。

(追記)
学童保育(子どもルーム)は開所して欲しいとの要請が厚労省からあるとのこと。それでは朝から夕方まで長時間子どもルームという狭い空間に大勢がいることになり、感染症予防の観点から、学校よりもリスクが高いです。そもそもこんな急に朝からルーム指導員を確保するのは極めて困難です。
政府が今回の一斉休校を、どういう疫学的見地から判断しているか分からなくなってきました。明日(2月28日)再度整理して、最適な方針を確定させます。(追記終わり)

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現時点の方針として千葉市では低学年と特別支援学級を中心に、保護者が対応できないケースについて学校で、感染防止に十分配慮した上で預かる方向で検討します。それしかありません。
詳細は整理してお伝えします。
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学校だけの措置となることを私は一番危惧しています。学校を一斉休校にしても、親が満員電車に乗って仕事をして帰ってきたら意味がありません。中国を中心に膨大なり患者情報から、大人に比べて子どもたちは重篤化リスクが低く、子どもの前に大人の感染予防策を徹底するべきです。他国は皆、その対策を徹底しています。順序が違うのです。

まさか、子どもを心配する保護者の声に押されて、社会全体の対策を抜きに、学校の一斉休校だけが判断されたのではないかと思ってしまいますが、それでは感染予防として効果が低い上に、社会に与えるダメージが大きすぎます。

ちなみに千葉市では子どもたちを感染から守るため、専門家の知見を活かして以下の休校方針や行事方針を確定させて、今日(2月27日)子どもたちにプリントを持たせて保護者にお渡ししたところでした。

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児童生徒・教職員が罹患した場合、その学校を休校とするのは当然として、学校関係の罹患が無くとも地域で複数罹患があり、感染拡大のおそれがあると判断した場合はその地域全体の小中学校について休校に踏み切ります。市内全域に拡大のおそれがあれば全市一斉休校とします。

学校行事について感染予防のための対応方針。
6年生を送る会等、児童生徒を集めての会は中止とし、修了式は校内放送等での実施。卒業式は来賓等の招待はせず、在校生は1~2名(送辞など)、式典内容を精査して最小限の時間とし、運営方法も疫学に則って実施します。
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学校だけに目が行ってしまう方にとっては不十分かもしれませんが、社会全体のリスクコントロールとして正しい方針だったと今でも思っています。
市川市のように、同一のスポーツクラブで3人も感染者が出ているケースでは、一定範囲の学校を一斉休校することは十分理解できますし、上記方針に基づくと、千葉市で同様の状況になれば全市一斉休校もあります。

いずれにせよ、政府は大きな、大きすぎる決断をしました。今あるカードの中から、最善の選択を取っていきたいと思います。