[2020年11月14日]陽性者数の増加、基本的対策の徹底、在宅療養スキームなど
陽性者数の増加、基本的対策の徹底、在宅療養スキームなど
千葉県で過去最多の陽性者数が確認され、実効再生産数も上昇を続けるなど、増加傾向が顕著となっています。
東京で感染が拡大し、その後船橋など東葛で拡大⇒千葉市、という流れが今まで多かったので、近いうちに千葉市でも陽性者が増加する可能性が高いと考えています。
先日も申し上げたように、
・寒くなったとしても窓の開閉など風通しの良い空間を確保する
・会食時の飛沫感染、接触感染を十分に警戒して対策する
・体調不良時に外出しない。職場等での体調管理を徹底する
・手洗い、屋内でのマスク着用などを徹底する
など、基本的な対策を徹底することが重要です。
一方で、検査体制が強化され、検査数自体がどんどん増えていますので、「過去最多」という報道や感染者数に一喜一憂せず、病床の状況、陽性率や感染経路不明の陽性者数、重症・軽症の内訳などを冷静に見極めることが重要です。
千葉市では、病床、軽症者用ホテルに加えて、在宅療養スキームも事前に検討を重ねています。在宅療養スキームは感染爆発時に活用できるだけでなく、将来、感染症指定が2類ではなくなった際の基本的対処方法にもなりますので、早めに検討を指示していました。
私は指示をしただけで具体的なスキーム(食事等の確保、連絡方法等)は職員が良い感じで検討を深めてくれています。
重要なことは重症化しやすい医療機関や高齢者施設等での感染拡大を防止することです。今後も関係者とともに必要な対策を重ね、できる限り社会経済活動の停滞を招かないよう、バランスある対応を意識していきます。
医療資源は有限です。コロナに病床・医療人材を多く確保すれば、その分他の病気に対応する病床や医療人材が減ることになります。医療リスクに応じた全体の医療と社会活動のバランスを意識する必要があります。
千葉市以外では、東葛北部・南部医療圏は今後急激に陽性者が増加するため、在宅療養スキームを活用する必要が出てくる可能性があります。必要になってから慌てて検討すると後手後手になるので、千葉市のように事前の検討が必要です。
ただし、課題はやはり外房や南房総など、医療資源が限られている地域と思われます。今は都市部中心ですが、この新型コロナウイルスは都心部から少しずつ日本全体に浸透していきます。
千葉市は夏頃までは船橋市など東葛地域に比べて人口比で考えると感染者は少なかったのですが、社会経済活動が戻るにつれて人口比に近い形で感染者が発生していきました。
今まで都市部以外は全国的に人口比で見ても感染者数は少ない状況でした。この傾向は時間の経過とともに人口比に近づいてくると思います。
都市部は医療資源が集まっていますので、軽症や無症状者を軽症者用ホテルや在宅療養にシフトさせ、専用病床は重症や中等症に絞ればある程度対処は可能ですが、外房や南房総は軽症者用ホテルも存在しませんし、元々の病床数も十分ではありません。県も認識していると思いますので、効果的な打ち手を期待します。