[2020年11月13日]冬に向けた診療・検査医療機関、千葉県は人口比で最少、千葉市は独自に動き、順調
冬に向けた診療・検査医療機関、千葉県は人口比で最少、千葉市は独自に動き、順調
冬が近づく中、全国で感染が拡大しつつあります。
政府は冬を見据えて、従来は保健所を中心に相談・検査を行ってきた体制から、身近な診療所、かかりつけ医で診療・検査ができる体制へと転換を図っています。これは非常に大きな変化で、この数か月、地方行政はこの対応を進めてきました。
昨日の日経新聞、今朝の千葉日報に各都道府県の「診療・検査医療機関」の指定数が出ましたが、東京都は3,000か所、神奈川県は1,498か所、埼玉県は800か所に対し、千葉県は346か所で人口あたりの指定数では全国最少となっています。
指定に向けた裏側を知っていますので、千葉県が少ないことは十分に予想できました。
千葉県の動きが少し遅かったこと、指定を受けた医療機関に対する千葉県が求める事務が煩雑など、医療機関にメリットがないためです。
千葉市民の方はご安心ください。
千葉市は県とは別に、国の基準に基づく市独自の指定の手続きを千葉市医師会と進めてきており、既に100か所以上(もっと多くなるでしょう)の指定となる見込みです。
早く動き、かつ煩雑な事務を求めず、そして診療・検査で医療機関で感染が発生した場合、100万円の支援金を支出する制度を創設するなど、医療機関に寄り添った対応を進めているからです。この点は先日の医師連盟から推薦頂く際にも、千葉市医師会はもとより他医師会から高く評価頂きました。医療関係者と連携しながら、確実な準備を進めてくれている市保健福祉局の職員を誇りに思います。
先日の知事と市長村長の意見交換会でも、他市長から「指定が全然進んでいない。診療・検査して感染してしまったら経営に直結すると悩む診療所も多い」という意見も出ましたが、それに対応する回答は県からありませんでした。
知事はこの意見交換会の冒頭あいさつや記者会見などでも盛んに「冬に向けた診療体制を構築してきている」と発言していますが、現状はこの通りです。
私は医師会と連携し、そして一つひとつの実務にタッチしていますので、この数か月の動きを理解しています。出馬会見の時期も、千葉市の指定が順調に進んでいることを確認して「冬に向けた準備が整いつつある」として設定しています。
県も個々の職員は頑張っていますが、健康福祉部の管理職レベルが膨大な意思決定の山に追われていて疲弊していると思われます。
制度設計を改善し、支援金制度を創設するなど、県医師会・各医師会など医療関係者と連携しながら指定医療機関を着実に増やし、冬に向けた医療体制を整えてほしいと願っています。
私はあまり批判は好きではありません。県には県の苦労があるし、全てが思うようにはいかないことは理解しています。この数年いつも県政を見て、優秀な県庁職員の能力を引き出せていないことにもどかしい思いを抱いています。
トップが課題を理解し、適切に庁内リソースを配分し、個々の職員が十分に能力を発揮できる環境を整え、現場とのずれを逐次把握し、調整する、当たり前の行政を早く県においても実現したいと思います。
追記:
県は指定医療機関に加えて、発熱患者を受け入れる意向を表明している診療所・病院(かかりつけ患者のみの診療を行う医療機関を含む)も含めて819か所と13日の対策本部で発表しています。指定以外の医療機関も入れて数字を出している都道府県は私が把握している限りは無いので、少し不思議な感じがします。