[2020年9月25日]幕張メッセを想定した臨時医療施設について
幕張メッセを想定した臨時医療施設(1000床)について県がようやく方針転換を表明したそうです。県議会での自民党代表質問への答弁とのこと。
私たちが以前より指摘してきたとおり、医療施設の新設には膨大な事務手続きが必要であり、また医療スタッフの確保、搬送する消防体制への影響など、多くの懸案事項があります。
事実上不可能な構想に時間と予算を割く前に、既存病院に専用病棟などを作る方がよほど現実的で、実際に東葛北部医療圏の千葉西病院は独立病棟である伝染性感染症病棟をコロナ後に整備し、感染症指定医療機関でないにも関わらず多くの患者を受け入れてくれています。東京都でも実例があります。
当時県から説明を受けた際も、県で検討チームにいる医師の方にも「まずは専用病棟を整備する医療機関への支援など、実現可能なステップでやるべきことを進めるべきだ」と提言してきました。
今回の答弁では病床確保の必要度段階が最大となり、病床数が切迫した際、無症状・軽症の高齢者100~200人を病棟やプレハブなどの仮設施設で受け入れるとのこと。現実的な解だと評価します。
当初より病院局などから病院事務に長けた人材が検討チームに入っていれば、臨時医療施設が机上の空論であることはすぐに分かったはずで、貴重な健康福祉部の人的リソースがもったいなかったと思います。健康福祉部と県病院局を調整するのは知事のリーダーシップ以外に他なりません。
日本ではリーダーシップというと引っ張っていくイメージが強いですが、各部署同士では調整が困難な案件を、全部局に権限を持つ立場として調整をすることもトップのリーダーシップです。
千葉市は千葉大附属病院と市立青葉病院が感染症指定医療機関で、千葉大は千葉市以外も含めて重症患者に対応し、市立青葉病院がフロア単位で病床を確保して軽症患者を中心に多くの患者を受け入れています。
青葉病院は山本院長のリーダーシップの下で多くのスタッフの尽力により千葉医療圏を支えてくれています。
なお、病気は新型コロナウイルスだけではありません。今も医療関係者は様々な病気に向き合ってくれており、その全てに対して敬意を表します。