[2020年4月30日] 2日連続、感染者は無し。今後について。相談窓口の状況
2日連続、感染者は無し
4月29日の感染者の発表はありません。2日連続となります。速報に基づくと本日もゼロないし少ない発表数となると思われます。累計患者数は92名(入院中60名、退院29名、死亡3名)。
検査数は27日が21人、28日が55人、29日が60人で、検査数が従来と比べて少ないわけではありません。千葉県全体でも4日連続で感染者は一桁となっています。
クラスターとなっていた介護施設・医療機関の関係者の検査が全て終了し、新たな陽性患者はいませんでした。介護施設が累計39件検査し、陽性は3件。医療機関が累計30件検査し、陽性は5件でした。
今後も慎重に健康観察を続けていく必要はありますが、一定程度の範囲内で収まったことは朗報であり、両施設の関係者の感染予防の取り組み等が背景にあると考えられます。施設の公表も含めて、この間のご協力に心から感謝申し上げます。
実効再生産数と人流データを目安に
千葉県では実効再生産数が4月17日より1以下となり、その後も減少を続け、最新値は0.31となっています。
この値はあくまで目安ですが、1人の感染者が何人に感染させるかを表しており、1.0以上だと感染拡大へ、1.0未満だと収束へと向かいます。行政の感染予防対策や人々の行動変容が適切か判断する指標の一つです。詳細はこちらのサイトをご覧ください。(https://rt-live-japan.com/…)
千葉県も東京都も緊急事態宣言前後より、この数値が減少し、中旬あたりから1を割り込み、その後感染者の減少傾向が確認されています。
この数値の状況から、人々が現状の行動制約を正しく続けることができれば5月6日時点では減少傾向が十分に確認できることが期待されます。
決して楽観することはできませんが、拘束力の弱い緊急事態宣言で多くの人が方針に従い、行動変容を重ねたことは十分に肯定されるべきだと私は思います。
今後も実効再生産数が1に近づく伸びの傾向を示さないこと、主要駅の人流データ(https://corona.go.jp/dashboard/)から政府や自治体が定める外出自粛等の行動制約が守られることを条件に、緊急事態宣言を1~2週間程度延長し、解除することが妥当と考えます。
また、解除後も都道府県毎のリスクに応じて、このあたりの数字の目安を定めて、大人の行動制約のパターンを示す必要があります。
報道で政府が1ヶ月程度の延長を考えていると出ました。私は政府が意図的に出した観測気球ではないかなと考えます。
最初に長めの延長情報を出し、「それは長すぎる。経済が持たない」と世論が動くか確認し、妥当な落としどころで決着させるのではないでしょうか。実際に1ヶ月延長したら、経済はもとより、既に顕在化し始めている社会の歪みが一気に噴き出すことになります。
目指すべき目標、現状の分析、今後の見通しを明示してリスクコミュニケーションをして欲しいと思います。
様々な人の存在を前提とした施策を
千葉市としては解除後、学校は段階を踏んで再開、ただし大人は一定期間は夜間・休日の外出自粛を強く求め、ナイトクラブ・ライブハウス等の特にクラスター化しやすい業種に絞って何らかの制約や感染予防対策を求めていく必要があります。
私は他国と同様にこうした特に感染リスクが高い業種に政府が何らかの補償をしてでも営業に制約をかけることが長期的に見て社会的コストが最も低く抑えられると考えますが、仮に政府がそうした対策を取らなかった場合、自治体としては法的拘束力のない自粛要請だけでは長期にわたる自粛を徹底することは様々な面で難しいと考えます。
風営法関係の業種に関してはハームリダクションの考え方を取り入れることも検討しなければいけません。
これは個人が健康被害や危険をもたらす行動習慣(合法・違法を問わない)をただちにやめることができないとき、その行動に伴う害や危険をできるかぎり少なくすることを目的としてとられる、公衆衛生上の対策を指します。
この間、パチンコ店の営業自粛、店名公表、それでも行く人たちを見てきたと思いますが、ある種の依存症に対して「馬鹿じゃないか」といくら批難しても彼らは行動を変えません。そうした業種に行くことへ自粛を求めるとともに、どうしてもリスクを冒す人たちに店舗・利用者双方に対策を取ることを求めることを検討します。
参考として以下のURLを紹介します。
『「家に居ろ」が通用しない。新型コロナに悩む歌舞伎町の現実』
https://forbesjapan.com/articles/detail/34144
『ハームリダクションとその考え方』
http://www.chugaiigaku.jp/upfile/browse/browse2934.pdf
事業者向け相談窓口、「どんな支援があるか分からない」が半数
持続化給付金、雇用調整助成金など政府を中心とした支援策が複雑で多岐に渡るため、分からないまま利用しない事業者が出てくるのではと考え、社労士・中小企業診断士なども入った専用相談窓口を設置したところ、相談の半数が
「何か受けられる給付金はないか」
「どういった支援制度があるか知りたい」
といった「苦しいが何が受けられるか分からない。支援メニューを教えて欲しい」という内容でした。
既に持続化給付金のさらなる緩和や、千葉市等の一部自治体が実施しているテナント家賃支援まで行う考えも示されてきています。さらに複雑・多岐に渡る支援策を、市内の中小企業・個人事業主がしっかりと受けられるよう、今後も徹底的にサポートしていきます。