[2020年3月27日] 首都圏、微妙に異なる自粛要請。千葉市は平日も

定例記者会見にて3月26日の東京都会見を受けて、東京への外出を控える要請を説明しました。
基本は県から県民にアナウンスされるものですが、3月26日午前中の段階では千葉県は「検討中」で内容も定かでは無く、こちらは定例記者会見があったので、SNSでこれまで説明してきた内容を改めて発信した次第です。県を飛び越えて発信したかったわけではありません。

3月25日に、東京都が41名の新型コロナウイルスの感染者を新たに確認したことをうけ、都民へ向けての外出自粛等要請が出されました。
本市では、先月21日の中学校教員の感染確認以来、疑わしい事例を日々PCR検査しているものの市民や関係者に感染者は出ていない状況ですが、東京都の状況をふまえ、次のことを市民の皆様にお願いします。

・市民の皆様、平日は在宅勤務を行うことを含め東京都への往来を可能な限り控え、できるだけ自宅で仕事をする等をお願いします。週末は、特に東京都への不要不急の外出を控えてください。
・週末も含め、東京都以外の場所へも、外出するのであれば、感染予防策(手洗いの励行、咳エチケット等)に努め、クラスター発生の三つの条件(換気の悪い密閉空間、人の密集、至近距離での会話や発声)が重なるリスクの高い場所を避けるよう、お願いします。
・企業など勤務先の皆様にも従業員の感染予防のため、在宅勤務などの配慮をお願いします。
・東京都民の方も、東京都の要請をふまえて、外出を自粛し、千葉市への往来を控えるようお願いします。
・手洗いの励行、咳エチケット等の感染予防策に努めてください。

東京都の25日の感染者が一気に増え、かつ陽性率が極めて高いので驚いた方も多いかと思いますが、中身を見るとクラスター化している集団や帰国者も含まれているため、冷静な判断が必要です。
爆発的感染拡大とまでは言えない、しかし感染者数の伸び、感染経路が特定できない割合が高いこと等を考えると、確実にそのリスクが高まっている、が私たちの現状認識です。

なお、首都圏それぞれの知事が出したメッセージは同じようで微妙に異なります。

・神奈川県と埼玉県は今週末の外出自粛(県内も含む)
・千葉県は今週末の東京への外出自粛(県内含まない)

千葉市のスタンスは千葉県に近いものです。平日も都内への外出を控えることを求め、都内から千葉市への外出も控えるよう要請している所が千葉市の特徴です。
少なくとも千葉市の状況においては市内での不要不急の外出を控える状況にはありません。もちろん、文書で示したとおり、十分な感染予防に留意した上で、の但し書き付きです。

千葉県全体で見ると東葛地域を中心に日々感染者が出ている状況なので、ここは判断が難しいところです。東葛地域は千葉市と違って都内への通勤比率も高く、東京の感染拡大が比較的早く伝播する可能性がある地域です。
神奈川・埼玉のように県内においても外出自粛をすることも正解ですし、千葉県のように県内移動を容認したから不正解というわけでもありません。

リスクを減らすには当然強い外出自粛を出す方が望ましいわけですが、それでは社会的なダメージも大きくなります。今の感染状況を冷静に分析し、その時期その時期毎に必要な対策を打っていく、その際には後手後手ではなく先手先手となるよう先読みをして、が重要です。

千葉市は児童生徒、教職員、市職員、福祉施設職員などの健康観察の徹底を他自治体に先駆け実施する一方で、公共施設などは一律に閉鎖せず、感染リスクに応じて開所・一部閉所・全面閉所するなど、公衆衛生部門の助言のもとで全庁一丸となった対応を取ってきています。
私たちからの情報発信に市民の皆さまが的確に呼応頂き、感染予防活動を重ねて頂いたことが今に繋がっているものと感謝しています。
もちろん、気を緩めることなく、感染拡大のおそれがあると予測した場合には市民の皆さまに外出自粛などを求めることはあり得ます。その際は唐突に、ではなく、東京都より先に土曜日時点で東京の感染リスクについて注意喚起してきたように、できる限り事前に警戒情報を出した上で実施していく考えです。

私たちも分かりやすくデータや先に待っている可能性をできる限り示しながら、その時期に必要な周知啓発を行っていきますので、市民の皆さまには冷静に、正しく警戒するようお願いいたします。