[2020年8月15日]感染拡大防止と社会経済活動の両立、人権への配慮
感染拡大防止と社会経済活動の両立、人権への配慮
千葉市を中心に活動するプロレス団体「2AW(ツーエーダブリュー)」の所属プロレスラーの陽性が確認されました。
既に感染が判明している友人の濃厚接触者として検査を受け、無症状病原体保有者であることが分かったものです。
保健所が調査・指導に入っていますが、この団体は観客席に間隔を設けるなど適切な運用をしていたため、観客に濃厚接触者はいません。
また、千葉市のQRコードによる追跡サービスも活用しており、いざという時には追跡が可能な形になっていることも大きいです。
プロレスという特性上、レスラー仲間で濃厚接触者が一定数存在し、順次調査・検査を進めて行きますが、社会経済活動と感染拡大防止を両立させる一つの好事例として皆さんにご紹介しました。
感染者が散発的に発生すること自体は、医療体制がひっ迫しない限り問題ありません。
3密を避ける等の対策を取ることで拡大を防ぎ、QRコードによる追跡サービスや接触確認アプリの活用などを進めることによって追跡可能な状況を作っていくことが重要です。
千葉市動物公園でも委託している事業者で改札業務に関わる社員の一人が陽性であることが分かりましたが、調査の結果、社員間の接触状況や執務環境が他に感染させる状況下にないため、通常通り本日以降も開園します。
本来は利用者等に影響が無ければ陽性者が出たことを施設側で公表すること自体不要ですが、今は社会的な評価を気にして公表せざるを得ない状況です。(中には「うちの社員で、ある陽性者の濃厚接触者になった者がいます」といった公表をしている店舗や施設まで見受けられますが、これは本当に無用で、やめて欲しいと思います)
それでも春の時期と比べ、陽性者が出たとしても疫学調査に基づいて濃厚接触者がいない・限定されている等の場合は安易に施設を閉鎖等しない段階まで進んでいます。
数か月先には一般に影響がないケースにおいては施設側が陽性者を公表することが不要な段階に社会的合意が進んで欲しいと思います。
各店舗や施設で公表しないからといって、保健所が把握しないという話ではありません。むしろ無用の公表があるがゆえに陽性者が隠れてしまう、保健所の調査に全てを明らかにしてくれない状況の方が危険です。
保健所がしっかり市内の感染状況を把握し、追跡し、対策した上で、個人の人権などが守られる社会を作っていきましょう。
「どこの地域で発生したかを公表して欲しい。そこを避けて行動することで感染が防げる」
「感染者が出たことを施設は掲示するべきだ」
といった、感染症への恐怖感情は理解するものの、感染症の本質を理解していない人々の言動がどれほど陽性者にプレッシャーを与えるか。
3密を避ける等の適切な行動を取っていたとしても、社会経済活動を行う上では何らかの形で陽性となる可能性は誰しもが持っています。
LINEなどで「どこそこで感染者が出たらしい」といった情報を交換したくなった際、それが本当に必要かどうかを、陽性者やその場所にいる人達の顔と人生を想像して、一度立ち止まって考えましょう。
私達は何と向き合っているのか、自分がその立場になったらどうか、思いやりをもって行動していきましょう。
私達千葉市は皆さんが知るべき市内の感染傾向や注意喚起は必ず行います。施設・店舗名の公表が必要な場合は必ず公表します。濃厚接触者となった方には必ず連絡がいきます。
千葉市を信頼頂き、市民一人ひとりが団結し、配慮し合い、難局を乗り切っていきましょう。
本日(8/15)は終戦の日です。先の大戦で亡くなられた全ての御霊に哀悼の意を表するとともに、先人からバトンを引き継ぎ次の代に託す責務を負っていることを自覚し、歴史に責任ある行動を取ることを誓います。