[2020年5月13日] 5日連続、感染者の発表はゼロ。臨時交付金の配分への苦言

5日連続、感染者の発表はゼロ

5月12日、新たに新型コロナウイルスの感染が確認された患者はいませんでした。これで5日連続となります。
ここ1週間の感染者は0,1,0,0,0,0,0という状況。千葉県全体では3人で16日連続で一桁です。

新たに4名の方が退院され、患者数95名(入院中20名、退院69名、死亡4名、療養終了2名)という状況。病床は着実に余裕が出てきています。
皆さまのこれまでの行動変容の結果であり、心から敬意を表します。

出口戦略について千葉県は国に基準を求めており、独自に基準を作る考えは無さそうです。
私たちは新型コロナウイルスの病床の状況、感染傾向などを基準に、今後の緩和と再度の引き締めの目安を提示します。今日(5月13日)にも市ホームページにアップする予定ですので、明日(5月14日)詳細に解説ができるかと思います。

国は明日14日に緊急事態宣言の一部解除を行う予定です。千葉県は東京に隣接するため、解除されることは無いと思いますが、国の基準や緩和後の考え方など様々な方針が示されると思われます。
その方針を確認した上で、翌15日に対策本部を開催し、18日以降の緩和について示します。ただし、緩和するといっても、学校を休校した上での部分的・分散登校や、図書館閉館を継続した上での予約本の受け渡しなど限定的・段階的なものとなることを事前にご承知おき下さい。

スポーツジム、パチンコ店、キャバクラ等の接伴飲食業など、県の休業要請が出ているにも関わらず営業している店舗に対しては市・県から接触しています。県もこうした店舗に対して特措法の24条9項の要請から、45条2項に基づく「施設の使用停止(休業)」の要請に移行することを検討しています。
対象業種の方々には申し訳なく思いますが、感染防止に向けてご理解をお願いいたします。

風営法関連業種に特有の制約も関係している

なお、キャバクラ・パチンコ店などについて一つ触れておきたいと思います。
実は風営法関連業種は日本政策金融公庫の融資や、信用保証協会の保証も受けられないという問題があります。

今、多くの店舗等が休業や大幅な客足減などによって資金繰りに困っており、それに対して日本政策金融公庫や信用保証協会を中心に行政が様々な資金繰りの特別支援を行っています。
こうした資金繰り支援があって自主的な休業等ができている店舗・企業も少なくありませんが、風営法関連業種はこうした政府支援も当然受けられません。

平時についてはともかく、こうした感染症危機時においては、当該業種が休業できるか否かは、当該業種を営業・利用する人のみならず、広く国民の生命を守ることにも関係します。
当該業種の関係者ではなく国民を守るという観点から特例措置を設ける等の検討も行われるべきとの声を受け、政府は4月24日に対象拡大の考え方を示し、5月15日から運用が開始されますが、少し時機を逸したところもあります。

営業しているパチンコ店にテレビカメラが群がり、周辺住民に迷惑をかけながら過剰報道するのであれば、マスコミもこうした実態を報道するべきと思いますが、一部報道機関を除き殆ど報道されていません。

臨時交付金が全く感染状況と異なる配分になっている問題

休業要請に伴い県や市の独自支援策の財源として新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金(臨時交付金)が充てられています。

感染症に対する地方自治体独自の対策を支援するため政府が1兆円の交付金を措置したわけですが、この配分に問題があります。
患者数が多く状況が深刻な自治体ほど手厚く支援する仕組みということになっていますが、蓋を開けると東京都や千葉市を含めて大都市ほど不利な配分になっています。

95人の感染者が出た千葉市の配分は17億円でしたが、感染者が殆ど出ていない鳥取県(46億円)、感染者がゼロの岩手県(58億円)の方が圧倒的に多く、感染者ゼロの岩手県の市町村には合計55億円が配布されるなど、感染状況に全く合わない配分となっています(これらの地域にお住いの方、申し訳ありません)。
政令市の中で見ても千葉市よりも感染者数の少ない広島市が22億円、北九州市が24億円となっています。

どうしてこのような状況になったかというと財政力指数によって配分額が大きく変動しているからです。
感染者数で若干の上増しがあっても最後に財政力指数を加えるため、大都市や首都圏が著しく不利になります。

普段の地方創生交付金であれば財政力の低い地方に手厚く支援することには一定の理解をするものですが、今回の新型コロナウイルスは人口密集度の高い都市部で多く感染者が発生していることを考えると、間違っても財政力指数で配分額を変動してはいけないことくらい国も分かるはずです。

感染者の少ない地方であっても様々な対策に費用が必要であり単純に感染者数で配分するべきとは思いませんが、感染者数の多い都市部が財源が足りずに自分たちの財政調整基金を取り崩して何とか支援策を講じるのはおかしいのではないでしょうか。
新型コロナウイルスの感染に苦しむ市民、事業者の皆さんへの支援に充てる財源が不当に削られているのは納得できません。

私以外にも問題視している首長も少なくなく、私も敬意を抱いている和光市の松本 武洋市長の記事を紹介します。

和光市を含む全国の不交付団体の住民の皆さん、これはあなたが政府に「コロナ対策で明確な差別を受けている」というお話である。

さて、この表の金額を人口一人当たりで割ってみると、政府は「新型コロナウイルスの感染力は自治体の財政力によって違うと考えている」ことかわかる(もう少し詳しく言うと、交付団体でも財政力が高い団体は一人当たり交付額が低い)。対策費が財政力によって差別されているのはそういう意図なのだろう。違うというなら、その根拠を合理的に示して欲しい。また、与党の国会議員はこの異常事態をどう説明するのか。
国難とも言える新型コロナ対策費を、財政力で差別的に配分する国家公務員を放任していいのだろうか。
あるいは、不交付団体の住民は政府の保護の対象外である、というのか。

実は、財政力が高い自治体ほどこのコロナ不況で財政的に受けるダメージは大きい。逆に、交付団体には、財源が減った部分は地方交付税で穴埋めが行われるのだから、理論的には財政のダメージは少ないのである。
となると、普段から他市の財政をカバーするお金を稼ぎ、自分の街の財政を自分たちでまかなっている不交付団体は、本当に困った時に政府からさらに突き飛ばされる立場である、ということが明確になる。
不交付団体から選出されている国会議員はこれをなんとも思わないのだろうか。
これが平時の交付金ではなく、新型コロナ対策の臨時交付金であるというところに問題の根深さがある。我々は健康差別を受けているのだということを強調しておきたい。

政府、内閣府には猛省を促し、「二度と」このような配分を行わないことを強く求めます。