[2020年3月13日] リーマンショック以来の経済危機になることはほぼ確実
アメリカ市場が暴落しています。リーマンショック以来の経済危機になることはほぼ確実と思われます。
新型コロナウイルスについて、日本はなんとか持ちこたえている方ですが、イタリアも大変なことになっており、今後ヨーロッパ・アメリカでもある程度流行し、その後インドやアフリカなどでも時間差で流行することが予測されます。
医療基盤、具体的には医療スタッフ、陰圧室や呼吸器等の医療設備、保険制度などの医療へのアクセスなど、各国の医療水準・公衆衛生レベルが如実に出てくるため、発展途上国はもとより先進国でもかなり厳しくなるのではと危惧しています。
ここに民主主義国を中心に、政治的思惑・パフォーマンスによる過剰対策も加わり、各国で混乱が拡大するでしょう。SNS時代もその混乱に拍車をかけています。
結果、2020年上半期は世界が新型コロナウイルスによって経済活動をある程度制限せざるを得ない状況となるでしょう。
景気の落ち込みによって税収が減少し、自治体財政にも大きな危機がやってくることになります。
2009年、私が就任した際、リーマンショックによって税収が落ち込み、千葉市は大きな財政危機に直面しました。まさにその局面の再来を覚悟しています。
しかし、あの当時と大きく異なる点があります。それは千葉市の財政状況です。
この10年、職員の奮闘、議会と市民の理解によって千葉市は着実に財政再建を果たしてきました。
就任当初、財政調整基金はほぼゼロに近い状況でしたが、今は50~70億円程度まで積み立てることができています。
国民健康保険の累積赤字も100億円を超えていましたが、今は累積赤字を解消しました。
そのほか、主要債務総額も大幅に削減するなど、政令市ワースト1位の財政状況だった千葉市はかなり健全化が進んでいます。
もちろん、過去の数十年の放漫財政のツケは10年で全て帳消しにはできません。しかし、2009年当時の本当に危機的な状況からすれば、相当程度持ちこたえるだけの基盤は作っています。
千葉市は一つひとつの投資に対して民間資本を活用するなど徹底的に工夫してきました。反発を覚悟して既存事業の見直しをしながら優先順位の高い事業に予算を振り替えてきました。
見直しの対象となった関係者からは批判もありましたが、こうして危機に面した時、長年の備えの有無が物を言います。
市内経済を少しでも支えられるために必要な財政出動を機動的に行うとともに、それが単なるバラマキに終わらず、次の時代に生きる投資や企業変革のための支援に繋がる形で工夫していきたいと思います。
少し心配しているのは千葉県の財政です。
台風等の災害もあり、昨年度、防災用の基金を全て使い尽くした上に、今年度予算で財政調整基金500億円を全て取り崩すという、過去に災害を受けた他県でも見たことの無いような予算を組んでいますので、財政出動余地がないのではと懸念しています。
あのような災害を受け、かつ県・知事の対応の不備が叩かれたため、防災と名が付けば何でも予算をつけざるを得なかったのでしょうが、千葉市が民間資本を使い自己負担ゼロで避難所に太陽発電と蓄電池を全て整備しようとしているように、防災であったとしても厳選と工夫をしなければいけません。
経済に関しては県の役割は非常に重要です。千葉県が責任ある財政運営の下で、機動的にこの危機に対して施策を展開することを願っています。